江戸という時代・場に学ぶ

NPO法人江戸連さまでの講演を終えて

2月23日、NPO法人江戸連さま主催の「江戸連講」にて、講演をさせていただきました。
「洒落本と随筆にみる吉原遊郭の音楽文化」というテーマでございました。

NPO法人江戸連のみなさまは、江戸という時代・江戸という場に学び、その学びを未来に生かすべく、大変精力的に活動を行っておられます。
また、会員の皆様のご経歴やバックグラウンドは大変多岐にわたられており、極めて多角的な視点から江戸文化にアプローチしていらっしゃいます。

本講演では、私自身の博士研究にいたるまでの研究経緯・研究結果を、ギュッと凝縮してご報告いたしました。
とりわけその中でも、ここ最近力を入れておりますのは、当時の「音の再現」です。

江戸文学という文字史料を研究素材としているので、文字通り文字に留まりがちな研究なのですが、どうにかして実際の音に迫りたい…それが目標としているところです。

本公演では、残念ながら演奏家の方をお呼びすることはできませんでしたが、当時の音曲空間を再現した演奏の録音を流し、皆さまに聴いていただきました。

「やはり音を聴くとグッとイメージが湧く」
「江戸の人々の気持ちがわかったような気がする」


といったご意見をいただき、大変嬉しく思いました。

研究は理性的でなければならない…それは当然なのです。
しかし、研究の結果を受けた人々がエモーショナルになる…。
それは、ある意味で研究の成功を意味するものなのかもしれない、などと思うのです。

特に、感情と切り離すことができない「音楽」という分野では。

江戸連の皆さま、大変充実した時間をありがとうございました。