音曲の豊饒地 品川宿

品川宿史談会さまでの講演を終えて

10月6日、品川宿史談会さま主催の講演会に登壇いたしました。
今回は「近世文学に映し出された江戸期品川宿ーその音楽文化を吉原遊廓との接点から探るー」というテーマです。

品川駅に降り立ち、住宅街に入ってすぐに、近くの公民館からお囃子が聴こえてきました。
その時に丁度タイミングよく、お囃子の練習をされていたのだろうと思いますが、その音色には「あぁ、音曲文化が生活に息づいている街なのだなあ」と感じさせるものがありました。

品川宿…江戸期には「北の吉原 南の品川」と称されるほど、人々の往来で溢れかえり栄えた場でした。
そしてそれは、品川が吉原と同様に、非常に大きな音曲の豊饒地であったことを示します。

そんな両者の関係性に迫る本講演では、近世文学での記述から、江戸期の品川の姿に迫ってまいりました。

また、今回も「音再現」を試みました。
生田流筝曲・地歌演奏家の町田夢子さんをお呼びし、実際に三味線で演奏をしていただきました。

【町田夢子さんHP】
生田流箏曲・地歌演奏家  町田夢子

町田夢子さんと。休憩中のひととき。

背景音には、波の音、鴎の鳴き声…。
実際の音にしてみると、吉原のそれとは異なる情景であったことが、はっきりと見えてきます。

音再現中。町田夢子さんは三味線をご演奏。
まるで私はDJのよう…。
(背景音の音量調節をしているのです)

街の姿は変わっても、人々や地域の根底にある音曲への愛情は変わることのない街、品川。
今日も、街ぐるみで文化継承に取り組んでおられます。

私も、大変多くのことを学ばせていただきました。

品川宿史談会の皆さま、ご来場の皆さま、ありがとうございました。