安房直子の美味しそうな童話コレクション❶『トランプの中の家』

安房直子の美味しそうな童話コレクション❶『トランプの中の家』

児童文学作家の安房直子さんの作品で魅力的なのは、個人的には食べ物の描写が好きなところのひとつです。

以前紹介した短編集『安房直子ファンタジスタ 春の窓』の中に収録されているだけでも、3つ4つは、美味しそうな食べ物のシーンが出てくるので紹介したいと思います。

『黄色いスカーフ』に出てくるホットケーキやオレンジ、
『あるジャム屋の話』に出てくるあんずのジャム、
『海からの電話』の砂のクッキー、
『ゆきひらの話』の冷たいりんごの甘煮……。

他の短編集を読み返したら、もっとあるかもしれません。

今日紹介する『トランプの中の家』でも、美味しそうな食べ物が出てきます。

『トランプの中の家』は短編集ではなく、さし絵つきのハードカバーの本を古本で買いました。

田中槇子さんの鉛筆で書かれた優しいさし絵が素敵な一冊です。

 

『トランプの中の家』

安房直子 作、田中槇子 絵

主人公の女の子の一家が、体の弱い妹のために森の家に引っ越してきます。

ある日女の子と妹がおつかいで森に出かけると、言葉を喋るうさぎに出会います。

 

不思議なトランプの絵の中に迷い込む

何でも、うさぎはあるお屋敷で働く料理人で、「料理の最中にこっそりお屋敷を抜け出してきた」と言うのです。

「お屋敷って、どこにあるの?」と女の子が聞くと、うさぎは一枚のトランプ
のカードを取り出します。

トランプには立派なお屋敷の絵が描かれていました。

うさぎは「私は、ここから出てきました」と話します。

意味がわからず「ここからって?」と聞き返す女の子。

すると、うさぎは足をトントンと踏み鳴らし、変な歌を歌うと急に風が吹いてきて、その姿を消してしまいます。

「うさぎ、どこに行った?」と草の上に残ったトランプを拾いあげて見てみると、トランプに描かれた家のドアが開き、その中にうさぎが入って行きました。

女の子はうさぎの真似をして足を踏み鳴らして歌ってみると、カードと同じ赤いレンガの大きな屋敷の前に立っています…。

 

料理人のうさぎが作る、山盛りのサンドイッチ

女の子は料理人のうさぎを探して屋敷中に入って行き、そこでうさぎの秘密を知ることになるのですが、続きは本を読んでもらうとして…。

この後、女の子はお屋敷の中で料理人のうさぎの手伝いをして、ポテトサラダのサンドイッチとトマトジュースを作るシーンが出て来ます。

田中槇子さんのさし絵にもそのシーンが描かれています。

モノクロの荒いタッチの鉛筆画なのですが、大きな銀のお皿に山盛りに積まれたサンドイッチがとても美味しそうで、印象に残っている一冊です。

あまり美味しそうだったので、気がついたら海福雑貨さんで販売している『レシピメモ』で、『トランプの中の家』に出てくるキッチンをモチーフにイラストを書き下ろしていました。

ぜひ、本と一緒にチェックしてみて下さい。
では、今日もこれから絵を描くので、この辺で!



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