現実の騎士の生活とは?『中世騎士物語』

現実の騎士の生活とは?『中世騎士物語』

有名なアーサー王伝説の本、
では、ないです。
期待した方にはすみません…。
でも、ファンタジー小説やゲームのRPGが
好きで手に取った一冊には違いありません。

『中世騎士物語』
須田武郎 著 新紀元社

この本は「物語」と題名にはあるものの、
内容的には西洋史の本です。

史実の西洋中世で、実在した
騎士たちは一体、どんな一生を送ったのか?
それが小説風に書かれた本です。
内容は分かりやすく、
中高生でもすらすら読めると思います。

挿絵イラストは全てモノクロです。
武装した兵士と騎士の姿、当時の武器と兵器や
砦などのイラストカットが多め。
他にも城の内装や、騎士が持っている
盾の紋章なども載っています。
盾紋は個人やその家系を表す意味を持っており、
イラスト付きで解説されています。

騎士の一生を通して中世社会を覗き見る

架空の騎士「ジェラール」の
生まれた瞬間の赤ん坊の頃から
成長し騎士になり、十字軍に参加して
戦死するまで、その一生を追いながら
西洋中世社会の様子を解説しています。

まずは中世の暦と年間行事、身分階級などの
当時の社会のシステムがぼんやりと掴む
解説から始まり、
騎士の戦争や、騎士の義務、道徳とは
どう言うものか、などに解説が及びます。

ひと通り読んでみて、感覚的には
2/3くらい解説で、合間にちょこちょこ
小説のパートが入る、という感じでした。
小説部分ではそれなりに心理描写も出てきます。

けれどこの本は物語を描くのが目的の本では
ないので、ストーリーや登場人物の
キャラクターなどは、特に
凝って作られてはいません。

主人公の騎士の際立った個性とかは、
無いです。それがこの本の
良いところだと感じました。
あくまで「史実の西洋中世に、こういう
生い立ちで、こんな暮らしぶりの
騎士が実在しただろう」
ということに徹しています。

実は1000年間にも渡る「中世ヨーロッパ」

ひと口で中世のヨーロッパといっても
西洋史で言う中世は、西ローマ帝国が滅んだ
476年から、東方にあったビザンティン
(東ローマ)帝国が滅ぶ1453年まで及ぶとのこと。
1000年という長い期間の中では、
騎士の姿は大きく変わっていきます。

この本では、案内役となる架空の騎士は
中世盛期の1165年のフランスで生まれたと
設定されているので12世紀の時代を中心に
語られますが、その前後の時代の
騎士についても、また、中世ヨーロッパが
どんな時代だったのかについても
イラストを交えて触れられています。

挿絵が多く分かりやすい文章

同じ棚に並んでいる西洋の中世社会を
解説した他の書籍は
挿絵カットが数点載っているくらいで、
文章も難しい本が多い印象です。

けれど、この本は普段読書をしない人にも
読み進めやすい内容で分かりやすいです。
全く予備知識のない所から
読み始めるのに良い一冊です。



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