佐藤さとると蓬田やすひろの『雨月物語』

佐藤さとると蓬田やすひろの『雨月物語』

今日は図書館で日本画家の
蓬田やすひろ氏が挿絵を手掛けた
(しかも全カラーイラスト)の本を発見し、
思わず借りて来ました。

『雨月物語』
講談社 少年少女古典文学館
藤田さとる、蓬田やすひろ 絵

人気作家が現代語訳、挿絵を担当するシリーズ

少年少女古典文学館は、日本の古典を
受賞歴もある人気作家、人気画家が
現代語訳と挿絵を手がけているシリーズです。
他の巻も知ってる作家が何人かいました。
(田辺聖子、阿刀田高、北杜夫など)

藤田さとる氏は「誰も知らない小さな国」や
コロボックルシリーズで有名な児童文学作家です。
蓬田やすひろ氏は日本画の手法を生かした
時代小説の挿絵で人気の画家です。

わたしは時代小説はあまり読まないんですが、
蓬田やすひろ氏の絵は好きで
たまに書店で表紙だけ眺めています。

だけどこの本、表紙の絵が小さくて
誰も蓬田氏の挿絵だと
気づかないんじゃないだろうか…

昔話のような読みやすい語り口

子ども向けの本なので
大きめの活字の平易な文章で、
注釈が豊富でイラスト付きのものも
多く、丁寧です。
さくさく読み進められました。

『雨月物語』は江戸時代に書かれた
近世怪奇文学の最高峰と言われている作品ですが、
別に怖くはないです。

江戸より昔の伝説や、中国の小説が
もとになっている話が多く、
もしかしたら「この話どっかで聞いたことある」
と思うものがあるかもしれません。

わたしは「鯉になったお坊さま(夢応の鯉魚)」
「蛇の精(蛇性の淫)」の話で
「なんかこの話どっかで…」と思いました。
「蛇の精」では見開き2ページの挿絵がありました。

蛇の精の物語

蛇の精のあらすじをざっくり書くと、
ある漁村で漁師を大勢かかえて魚をとらせている
網元の三男、豊雄という男がいました。

ある時雨宿りをしていて、綺麗な女の人に
出会います。豊雄は早い話、彼女に
一目惚れして県の真女児(あがたのまなご)と名乗る
その女性の家を訪ねます。

彼女は少し前に役人だった
県という夫を病で亡くし、
身を寄せるところも無く
ひとりで心細く思いながら
暮らしていたそうで、豊雄へ遠回しに
「良かったら再婚してくませんか」
と言います。なんて都合のいい話…!

豊雄がその話を受けると、
彼女は前の夫が大切にしていたという
金銀をちりばめた立派な太刀を
夫婦約束のしるしに渡します。

豊雄はその太刀を持って家へ帰りますが、
彼の家族は見るからに高価な太刀を見て
「おま、そんなスゴい太刀どうしたんだ」と
ザワザワします。
豊雄の兄は真女児との話を聞き、
「どうもあやしい話だな、
うちは村長だから役人が亡くなったら
知らないはず無いのに、
だいたい県なんて役人は聞いたこともないぞ…」
と、冷静な反応を示します。

兄が例の太刀を持って来させて調べると、
なんと都の偉い大臣の元から盗まれた
宝物だったことがわかります。

豊雄は翌日、武士たちに捕まり
縄で縛り上げられて
きびしい取り調べがはじまります。

…と、蛇の精がぜんぜん出てきませんが
長くなるので、彼がどうなるかは
本を読んでもらうことにします。



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