お茶会のため山を乗り越し、海を渡る『変なお茶会』−大人になっても楽しい佐々木マキ絵本の世界

お茶会のため山を乗り越し、海を渡る『変なお茶会』−大人になっても楽しい佐々木マキ絵本の世界

みなさんは子どもの頃、学校の図書室でどんな本を借りましたか?

子どもの頃に出会った本は、大人になっても長く印象に残っていたりします。

今日はわたしが小学生の頃に学校の図書室で見つけた絵本を紹介したいと思います。

この絵本はシリーズものではありませんし当時はそれほど大好きな絵本、…というわけではありませんでした。

しかし、その後20年に渡り記憶の片隅に、なんとな〜く居残り続けた
因縁の一冊であります。

結果的に、大人になってから、自腹で買い直しました。

小学校の図書室で見つけた、異彩を放つ小さな絵本

『変なお茶会』
佐々木マキ 著

シンプルな線とビビットな色使いの少しレトロな雰囲気の絵に、短いテキストの絵本です。

サイズは文庫本よりひとまわり大きいくらいのサイズ。

小学生当時のわたしは文章を読むのが苦手だったので、絵本自体が当時はあまり好きではなかったのですが、この本は文字が少ないのですぐ読み終えることはできました。

先にも書いたように、大人になってから買い直しました。

けれど当時は、アニメ調の絵が好きだったので手に取って読みはしたものの、一度読んだら満足して、わざわざ借り出し自宅に持って帰ることもありませんでした。

「今年も例の招待状が届いた」

物語は、主人公?の日本人の男性オオイワ カメタロウ氏のもとへ、
毎年この時期にかならず届くらしい招待状を受け取るところから始まります。

とらんすばーる ろまーな sept. 4. 191X

Mr カメタロウ オオイワ
ヨコハマ,ジャパン

シンアイナ Mr. オオイワ:
ホンネンモ ソロソロ
オイシサウナキセツガ ナリツツアリマス。

ジコクガ 11ガツ 4ニチノ
ゴゴ6ジ3フンオヨテイナンデゴザイマス。

マタ ホカノミナサマニモ
オショウタイシマシテカラ ゼヒ
ホンネンモウチソロイテ オイデ
クダサルオマチシテイマス。

チャリンコで海の向こうへ出発…

オオイワ氏はこのちょっと怪しい日本語の招待状を受け取り、いそいそと

「電気自転車で出かけよう」

と出発します。

自転車で気軽に出掛けるくらいなので、てっきりすぐ題名のお茶会のシーンに移るかと思いきや…

そうではない。

次のページからは、同じく冒頭の招待状を受け取った人びとが、世界の各地から遠路はるばる目的地へ集います。

世界の各地から集まる招待客たち

目的のお茶会は、招待状の発送元の地名が
「トランスバール」となっているので、
するとアフリカ大陸の最南に近い場所で開かれるはず。

皆、かなりの長旅になることは確かです。

なのに交通手段がみんな何だかおかしい。

まだ飛行機がない頃のお話とは思うんですが、それにしても…

遠すぎない…?

インドのライプールに住む理髪師スミラ君は象に乗ってやって来ます。

アントワープの五人兄弟の靴屋は五人乗りの自転車に乗って目的地へ向かいます。

ナントで公証人をしているデュブウ夫妻は自慢の飛行機に乗ってくるのですが、毎年毎年、途中で墜落し、それからはヤギに乗って移動するそうです。

謎のお茶会の全容はぜひ絵本で

そもそも冒頭のオオイワカメタロウ氏からして、横浜で招待状を受け取っているのに、なぜ平然と自転車でアフリカへ
出掛けようと思ったのか分かりません。

ふつうこの時代なら、列車と船を乗り継ぐんじゃ…  ないのか……?

しかも、オオイワ氏は招待状を9月初めに受け取っていて、お茶会は
11月4日に始まる予定なので、ひょっとして、丸々2ヶ月を掛けて旅をしている?

いったいそこまでして向かうお茶会とは、どんなものなのか!?

…と、その辺は本を読んでもらうとして…。

もちろん、小学生当時のわたしは

「トランスバール」や「ライプール」

「アントワープ」「ナント」などの

地名は知りませんでした。

ちなみにアントワープはベルギー、ナントはフランスにある町です。

なので子供の頃は、招待客たち各々の移動距離はどのくらいなのか、

そもそも出て来る地名は実在のものなのか、

架空の地名なのか、分りませんでした。

が、それでも登場人物たちが、お茶会にただならぬ労力をかけて世界の各地から集う風変わりな感じは、当時からひしひしと感じました。

大人になってから買い直した珍しい絵本

先にも書いた通り、当時この絵本は
「ちょっと良いかも」とは思ったものの、
大好きで何度も読み返した本、ではありませんでした。

しかし、当時熱心に見ていたはずのアニメのストーリーはほとんど覚えていないのに、この絵本のお話と印象は中学生、高校生になっても残り続けました。

大人になってから、ある時この絵本が読み返したくなって書店で取り寄せて今は手元にあります。



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