アンデルセン『絵のない絵本』全話の解説とあらすじ❼《第20夜〜第22夜》

アンデルセン『絵のない絵本』全話の解説とあらすじ❼《第20夜〜第22夜》

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《第20夜》ローマの王宮の廃墟

ローマのむかし王宮だった廃墟での話。

ローマの軍隊のしるしに鷲が使われていたため、この章で「ローマの鷲」と呼ばれている教科書などでお馴染みの(?)ローマの軍人カエサルが、有名な「来た、見た、勝った」の言葉を叫んだ場所でもあります。

(敵を破竹の勢いで撃破していく様子を
報告した文句だそうです)

しかし、かつては王宮だった建物も現在では朽ちて荒れ果て、今では老婆とその孫娘が住んでいます。

孫娘は頭に壺を載せて運び、住処の玄関にたどり着きますがふとしたことで壺を落として割ってしまいます。

《第21夜》サハラ砂漠の商隊

しばらく月の見えない夜が続いていましたが、二週間ぶりに姿を現した月がいつものように語り出します。

北アフリカのサハラ砂漠を行く隊商の話。リビアのフェザンという都市から、キャラバンの一行が発ちます。

この地方の民族は、自分たちのことを「太陽の子」と呼んでいます。

水の入った瓶や種無しパン(イースト菌を使わないふっくらしてないパン)を入れた皮袋などを身につけ、ラクダにまたがった商人たちの旅の様子が描かれます。

その中のひとりの若い商人は、
たった2日前に結婚式をあげたばかりでした。

はなやかな結婚式での歌と太鼓や、風笛という皮の袋にパイプを取り付けた楽器が鳴り響く様子か、若く美しい花嫁のことを思い出しているのか、物思いにふけっています。

一方で町の、商人が留守にしている家では、新妻が彼の無事を祈っていました。

《第22夜》人形を隠された女の子と夜の森

兄に人形を取り上げられてしまった小さな女の子の話。

プレゼントにもらったとてもきれいな人形を、兄のいじわるで高い木の上に乗っけられてしまいます。

人形を残して家に帰る気になれず、女の子はあたりが暗くなっても木の下を動きません。

いよいよ真っ暗になってくると、背の高いとんがり帽子を被った妖精やひょろ長い幽霊の姿をはっきりと見てしまい、女の子はとても怖い思いをします。

幽霊は、真っ暗な通りから、だんだん、だんだんと人形のある木のほうへ近づいてきて、笑いながら人形を指します。

けれど、怖がりながら女の子は

「でも、お化けや幽霊だって何にも悪いことしてない人には、何も悪いこと出来ないはすだわ。わたし、何か悪いことしたかしら?」

と考え込み始め…。

ここでの妖精は、北欧のニッセという赤いずきんとねずみ色の服を着た小さな妖精を指すようです。

人びとの後をつけ回し、いたずらをすると言われています。



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