アンデルセン『絵のない絵本』全話の解説とあらすじ❺《第15夜〜第17夜》

アンデルセン『絵のない絵本』全話の解説とあらすじ❺《第15夜〜第17夜》

全33話もくじ一覧はこちら

 

『絵のない絵本』のさし絵入り本5選

『絵のない絵本』モチーフにしたアクセサリー

 

《第15夜》新大陸に渡る農民たち

ドイツの貧しいリューネブルクという荒野から、アメリカを目指そうとする農民たちの話。

リューネブルクはドイツ北西部にあるヒースという植物が生い茂る砂地で、農作物が育たないため農民は苦しい生活をしていました。

アンデルセンは1831年のドイツ旅行でこのヒース地帯を見たようです。

この章でも、「にせ予言者」「カナンの土地」と聖書に基づく比喩が出てきます。

「カナンの土地」は理想の土地という意味です。旧約聖書に、神がアブラハムと彼の子孫に約束した「希望の地」として出ています。イスラエル人がモーセに率いられてエジプトから脱出し、長い旅を続けてカナンへ到達します。

人々はサヨナキドリが鳴くのを聞き、それを幸せの前触れのように思います。

しかし、風は、海を越えて旅するため何もかも売り払ってしまった農民が、無力なみすぼらしい姿で新天地にたどり着きやがて熱病にかかり最後を迎える末路を歌っていました。
けれど、農民たちにはそれが聞こえません。

《第16夜》道化師とコロンビーナ

イタリアの即興喜劇「コメディアデラルテ」の役者たちの話。

イタリアの即興喜劇には、「ポリチネロ」や「アルレッキーノ」と呼ばれる道化役や、「コロンビーナ」というヒロインが出てきます。道化役者は自分の名前でなく役の名前で呼ばれ、役になりきって生活しました。

「ポリチネロ」は大きな鼻をして背中に二つのこぶがあり、黒い半仮面を
つけているそうです。本により「ポロンシオン」と表記されています。客にとても人気がある役でした。

「アルレッキーノ」もポリチネロと同じ道化で、臆病なくせに、威張ったりするという役です。

「コロンビーナ」は美しく快活な女中で、明るい色の上衣に青いエプロンをつけ、小さな頭巾を粋に被っています。

この物語のポリチネロはコロンビーナを愛しているのですが、彼女は気づいてくれません。

《第17夜》小さな新しいドレス

新しい晴れ着をプレゼントされた四つになる小さな女の子の話。

短い章です。

月はこの子が、空色の洋服と、薔薇色の帽子をちょうど着てみたところを見ます。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です