月と宝石のような33夜の物語.。アンデルセン『絵のない絵本』おすすめ本5選

月と宝石のような33夜の物語.。アンデルセン『絵のない絵本』おすすめ本5選

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『絵のない絵本』モチーフにしたアクセサリー

月が貧しい若者を慰めに語る、33夜の小さな物語

 

「絵のない絵本」の主人公は、貧しい若い画家です。

 

誰も知り合いの居ない街に出てきて、狭くて古いアパートで一人ぼっちで暮しています。

ある時とても悲しい気持ちになって、窓から外を眺めていると、そこへ昔から親しんだ懐かしい姿を見つけます。

 

それは、月でした。

しかもこの月はどうも言葉を喋るらしく、寂しい画家に語りかけます。

「絵のない絵本」は貧しい画家を、月が慰めてくれるという物語です。

月は世界じゅうのあちこちで見た景色を画家に語ってくれます。

 

本音を言いますと「画家が孤独のあまり幻聴を聞いたんじゃないか? 」と思わなくもないです。

画家のモノローグのような序文と、月が語る33の物語の章で構成されています。

 

1章あたりどれも数ページの長さで、珠玉のショートショートといった感じ。各話に必ずオチがある訳では無いのですが、どの話も文章で描かれる情景がとても美しい。

 

旅行家のアンデルセンが旅の体験をもとにえがいたと言われているようです。

 

1ページほどの短い話もあり、散文詩のようでもありますが、短い中に濃やかな感覚が凝縮されています。

 

いろいろな出版社から本が出ている

 

3夜の牧師館のバラの話をもとに長編小説を書いたイギリスの作家もいるとのこと。

 

割と色んな出版社が本を出していますが、元々短い作品のため文庫本は薄くて安いことが多いので、何冊か買い集めました。↓

そろそろどこかが新しいさし絵を付けて、また本を出してくれないかな~、と期待しております。

 

 

さし絵入り『絵のない絵本』厳選5冊まとめ

 

岩波文庫 絵のない絵本(道部順 画、大畑末吉 訳)

私のイチオシです。シルエット画のカットが素敵!お洒落!

カットの点数が多く、文も読みやすいです。

 

岩波文庫のさし絵といえば… さし絵っていうか「もはや歴史の教科書の資料では? 」くらい昔の絵が使われることが多いイメージなんですが、「絵のない絵本は例外」と思ってください。

 

 

集英社 少年少女世界名作の森 16 (牧野鈴子 画、鈴木徹郎 訳)

カバーのオブジェと中の挿絵を担当している人は別です。オブジェとイラストの雰囲気はまったく違うので注意。
(表紙もイラストの方がよかったのでは…)

イラストは優しい色鉛筆画で、とてもオススメ。半数はモノクロページですが見開きでカラーイラストも入っています。

繊細なグラデーションと、美しい色づかいの絵です。全部カラーで見たいな~と思いました。

 

また、中の文章はテキストだけでなく、小さい写真やカットイラスト付きの解説が各ページにあります。
これが実はかなり有り難いと思います。

 

「絵のない絵本」は他のもっと広く親しまれているアンデルセンの童話作品と比べるとより詩的な作品で、予備知識が無いとよく分からない場面も少しありますが、細かく分かりやすい解説が付いている本は少ない印象です。

フォア文庫 絵のない絵本(いわさきちひろ 画、山室 静 訳)

有名ないわさきちひろさんが挿絵を手掛けた本。

 

文庫版の底本になった、ハードカバーの本も童心社から出ています。

 

絵は全てモノクロですが点数が多く、40点以上の絵が収録されています。いわさきちひろさんの独特で柔らかい水彩画が好きな人におすすめです。

 

 

 

文春文庫 アンデルセン童話集 下(ハリー・クラーク 画、荒俣宏 訳)

ハリー・クラークの手掛けた挿絵が使われています。

クラシックで独特な絵柄で、書き込みが繊細です。

 

絵のない絵本だけでなく夜なきうぐいす、マッチ売りの少女、人魚姫など全10編収録されてお得かも。

 

 

 

福音館書店 絵のない絵本(I.S.オルセン 画、大塚 勇三 編・訳)

挿絵が全てカラー!

デンマークを代表する画家のI.S.オルセンが挿絵を手掛けています。

鉛筆と水彩の荒いタッチで、優しい雰囲気が良い感じ。
ハードカバー版もあり。



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